早期離職後の転職に向いている企業とは!?

2021.5.23
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はじめに

この記事で扱う「早期離職」は、入社して2、3年という短期間での退職を指しています。似たような言葉で「早期退職」というものがあり、こちらは早期優遇退職等、リストラ時に退職を募る場合に良く使われます。

早期退職に関しては今回は扱わないのでご注意ください。

人間関係がうまくいかない、入社した企業がどうやらブラックのようだ、忙しすぎて体を壊してしまった等、様々な理由で早期離職を経験する人は一定数います。

正社員、契約社員やアルバイトといった非正規雇用と、雇用形態によって、また最終学歴によっても早期離職の理由はそれぞれ異なります。

日本は、転職を繰り返すことに良いイメージを持たれないという傾向が続いていたため、早期離職に関しても今後のキャリアに響くのではと心配する人も多いことでしょう。

もちろん現在も完全に払拭されたわけではありませんが、一昔前に比べると転職を繰り返してのキャリアチェンジやキャリア形成に対する考え方は変わってきています。

仕事に対する意識も変わりつつあり、一つの企業に勤め続けて退職金をもらってリタイアするということが必ずしも良いとは言えなくなってきていることもあり、早期離職は理由によってはかえって賢明な判断であることもあります。

自分の実力が発揮できずにマッチングしない仕事や会社の方針であること、将来が不安な会社でいつまでも我慢して働き続けるより、自分の将来のため早めに見切りをつけて次へ進むのも一つの手です。

この記事では、早期離職後に中途採用で転職する場合に抑えておきたいポイント、早期離職を検討しているもののまともな求人があるか不安という人に対して、中途採用を実施している企業の傾向についてまとめていきます。

なお冒頭で紹介した「早期退職」について詳しく知りたい人は、以下のような記事を参考にしてみてください。

早期退職は本当に危険?有効活用するための準備とポイントとは

早期離職を振り返ってみよう

早期離職する場合の理由はある程度の分類はできるものの、細かい部分については十人十色です。例えどんなに複雑な理由であったとしても、しっかりと自分で説明できるようにしておく必要があります。

理由としては2つあります。

1つは、転職先の面接においてどんな理由で辞めたかを説明しなければいけない可能性が高いからです。企業の面接担当者からすれば早期離職という履歴があると、うちに来てもまたすぐに辞めてしまうのではと不安になるものです。

面接時は全くの初対面で見ず知らずの相手なので、逆の立場になればそう思うのも当然と心得ておくと良いでしょう。そのため相手の不安を解消し、信頼感を与えるために早期離職の理由を理論的に説明できる状態にしておく必要があります。

また転職先を探す場合も退職理由の明確化は必須です。自分が何を理由に退職したかがわからないまま未経験OKの企業へ闇雲に応募していたら、また同じような理由で早期離職することになりかねないからです。

理由を明確化する際は、自分に嘘をつかず、真の理由を追求することが重要です。

例えば残業が多く、忙し過ぎて自分の時間が持てないということが退職の理由と思っていたとします。その場合に求める転職先は残業の少ないところになります。

相応しいとこが見つかって難なく転職に成功し、実際に残業時間が少なく自分の時間が持てるようになったとします。それでも再度、早期離職をしてしまうことがあります。理由を聞くと給料が少ないからというものでした。

この場合、最初の就職先を離職した真の理由も、忙し過ぎるということではなく、ある程度の給料と、余暇の確保という点であった可能性が浮かび上がります。

以上の例は単純過ぎてただのわがままな人のように映りますが、理由が複雑であったり、複合的なものであればある程、早期離職となった真の理由を自分自身で見極めておかないと、同じことを繰り返してしまう可能性が出てきます。

早期離職自体が悪いことでは全くないですが、あまりにも早期離職を繰り返し過ぎて毎回理由が曖昧であると、採用側もまた繰り返すのではないかと躊躇ってしまうので、おすすめはできません。

在籍中あまりにも辛くて逃げるように辞めてしまったとしても、退職後に振り返って、求人検索や面接までにはっきりさせておけば問題はありません。

以下に早期離職の理由ランキングが掲載されているサイトがあったのでリンクしておきます。自分の離職理由がいまいちしっくりこない場合は、こういったサイトを参考にすることで言語化しやすくなる可能性があります。

早期離職の原因と対策とは?3年以内の離職の現状や離職理由ランキングを紹介

また、以下に独立行政法人 労働政策研究・研修機構の早期離職に関する文献をリンクしておきます。

早期離職の理由や転職についての詳細な分析がされていて非常に興味深い内容ですが、60ページ以上のボリュームがあるので、お時間がある時にぜひご覧ください。

第6章 早期離職とその後の就業状況

早期離職後に中途採用で転職できる企業に問題はないの?

求人情報を見ていると、企業によっては中途採用を積極募集していることをアピールしているものを見かけます。

早期離職者にとってはありがたく見えるものの、中途採用が多いということは、すぐに人が辞めてしまうブラック企業なのではと不審に思ってしまうこともあります。名前の知れている企業であればまだしも、無名の企業であれば尚更です。

しかし中途採用の積極的な募集は悪い理由ばかりではありません。例えば創業まもない企業で、急ピッチでの開発であったり、営業、運営が必要な場合は未経験の新入社員に教育している余裕がありません。

このような場合は即戦力として働ける業界経験者や、社会人経験のある中途採用を求めていることが多いです。

また新部署の立ち上げで経験者が不在のため、特定分野の経験者を募っていることや、社内の体制変更で人材が必要になることもあります。

コスト削減が急務となっている企業では、削減対象を教育に定め、中途採用を積極的に募集することで教育コストの削減に努める場合もあります。

早期離職者が多く、定着率の低い企業の場合もありますが、中途採用が多い理由にはポジティブなものも珍しくありません。

転職者側からしても、中途採用を行っている企業は入社しやすい、人の出入りで活気のある企業、役職に囚われない働き方ができるというメリットも多くあるため、見極めたうえでできるだけ優良な企業に転職したいものです。

それでも社内の人間でないと、中途採用が多い理由を具体的に把握することが難しいものです。中途採用が多いという点だけで良い悪いを判断するのではなく、多角的に見ていく必要があります。

安心できる材料を見出す一つの指標として、中途採用が多くかつ転職後の平均勤続年数が長い企業を紹介している記事がありました。有名な企業もたくさん出てきているので、ぜひ一度ご覧ください。

「中途採用が多いのに平均勤続年数長い」117社

転職活動はどの時期にするべき?

求人数が増える時期としては、3月前後、5、6月が狙い目という情報が見受けられます。それぞれの時期には理由があります。

3月前後については特に求人数が多くなります。理由は、区切りの良い3月いっぱいでの退職や、年末のボーナス後の退職が相次ぐ時期となるためです。また企業には採用の予算があり、これを消化する時期にもなるためです。

また、組織が新体制に向けて形を整え始める時期にも当たるため、不足している人員の補充等も考え始めます。

5、6月に関しては新卒採用の不足分の補填が発生する時期となるためです。また夏のボーナス後の退職を決める人が出ることや、9月入社の採用活動を開始する企業があることも理由の一つです。

それ以外にも各業界の特徴や、その年の動向によっても求人数が左右される可能性があるため、興味のある業界の情報は耳に入れておくと良いです。

ただし求人数が増える時期は、転職が活発化する時期でもあります。鶏が先か卵が先かというところで、転職者が増える時期に求人募集を当ててくる企業があるという見方もできます。

そのため3月前後や5、6月は競争相手が多い時期である可能性もあります。もし狙っている企業が決まっているのであれば、常に求人をチェックしておくことをおすすめします。常にチェックしておけば、転職者が少ない時期に求人があった場合でも気づけます。

特に希望の転職先が決まっておらず、たくさんの求人を比較して応募したいという場合には、求人数が多くなる時期を狙って探すのも一つの手です。

以下記事では中途採用が多い傾向にある業界と業種というカテゴリーでまとめられていたので、ぜひ参考にご覧ください。

中途採用の多いおすすめの7つの業界|中途採用の多い職種7選

早期離職した後でも中途採用でおすすめの企業は?

入社できる確率を上げるという観点で見るのであれば、当然ながら新卒採用に力を入れていて中途採用に消極的な企業を避け、中途採用の募集をアピールしている企業がおすすめとなります。

転職者から見ても中途採用を行っている企業は応募がしやすい、転職後に活躍できるチャンスがありそう、多方面から来る転職者の受け入れに柔軟そうという印象を持ち、企業側もそれを把握したうえで求人を出している可能性があります。

意図的にそういった求人を出していたとしても、それだけ中途採用をしたいとも捉えられるので転職先の候補として入れるのも間違いではありません。ただし中には甘い言葉で誘っている可能性もあるので注意は必要です。

なお2018年とやや古い記事ですが、東洋経済ONLINEで中途採用が多い企業をランキングにしている記事がありました。この記事で挙げられている企業だけでなく、掲載されている同業界で同じ傾向がある可能性もあるので参考程度に見てみる価値はあります。

「給料が高く中途採用が多い会社」トップ100
30歳平均月給30万円以上の会社でランキング

以下記事では未経験の状態から転職しやすい職種、業種について紹介されていたので、あわせてご覧ください。

未経験から転職しやすい職種・業種は? 企業は未経験者に何を期待してるん?

さらに以下記事は、異業種からの転職というところに焦点を当てて各業種を紹介していました。これらの情報を総合的に見てみるとより有効な情報が得られる可能性があります。

5000人の転職事例から探る 異業種転職を受け入れる可能性の高い業種は?

早期離職も人生経験のうち!切替えて自分に見合った企業を探してみよう!

早期離職は自分でも早すぎるのではという思いや、次の転職が難しくなるのではという懸念から躊躇いがちになってしまうものです。

しかし早期離職によってその先の仕事人生が全て決められてしまうわけではないですし、場合によっては結果的に早期離職が天職に巡り合うきっかけとなったという好機になる可能性もあります。

求人によっては応募条件の年齢制限が若いところもあるので、前職の退職が早いほど転職先の選択肢は多くなる傾向にあります。

また中途採用を多く行っている企業はそれぞれの事情があるので、全てがブラック企業ということはもちろんないですし、その逆もまた然りです。

中途採用を行っている企業にも様々な業種があるので、早期離職後の転職に失敗しないように、求人情報だけではなく企業や業界の実態も確認したうえで、次こそは自分に合った企業、仕事への転職を目指しましょう!

最後に、早期離職からの転職に心強いエージェントサービスを選ぶポイントや、各社の特徴がまとめられたサイトをリンクしておきます。エージェントの利用を検討したい人はぜひご覧ください。

【徹底比較】転職エージェントサービス59社の特徴まとめ|保存版