グランドスタッフで身につけられるスキルは?仕事内容と身に付くスキルのまとめ

2021.5.20
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はじめに

グランドスタッフは、従事している人や目指している人はその職種がどんなものか理解していても、一般的にこの職種名を言われてすぐにどんな仕事をしている人を指すのかわかる人は少ないことでしょう。

グランドスタッフは、主に空港内でキャビンアテンダント等と連携を取りながら旅行客をサポートする職種です。飛行機に乗る前の搭乗手続きや案内窓口、空港内のアナウンス、荷物を預けたり受け取ったりする際に対応してくれる人達です。

空港内の人達も全てキャビンアテンダントだと思っている人もいるかもしれませんが、キャビンアテンダントは機内での業務を担当する職種なので、それぞれ業務内容は分けられています。

またグランドスタッフは正社員だけではなく、契約社員、派遣、アルバイトという非正規雇用でも働ける職種です。

グランドスタッフはキャビンアテンダント同様に、空港や飛行機に関わる仕事や、外国語を使う仕事に憧れて目指す人が多い傾向がありますが、シフトが不規則であったり、体力を使ったり、クレームを受けたりと大変な面もあります。

大変な面があったとしてもやりがいの方が勝って続けている人もいれば、思っていたものと違うために転職を検討する人もいます。

転職先を見つける場合は、できることならこれまで得た知識やスキルを生かせるような仕事に就きたいと思っている人も多いことでしょう。

どの業界でもありがちなことですが、ずっと同じ業界にいると自分がどのようなスキルを習得できているのかが意外と自身では分からない場合があります。日々業務に追われて多忙な状態だと、省みる機会が少ないため尚更です。

当たり前のようにやっていたことが実は高度で専門的なスキルであったり、どの業界でも役立つ汎用的なものであったりします。

今回の記事ではグランドスタッフの仕事内容と、その中で身に付くスキルについて紹介します。

すでにグランドスタッフとして働いている方は、自身のスキルを省みるきっかけとして読んでもらえると幸いです。これからグランドスタッフを目指す人は、参考情報として読み進めてみてください。

なおキャビンアテンダントやグランドスタッフは2020年以降、COVID-19の世界的大流行で大打撃を受けている航空業界の職種であるため、近年は求人数がかなり絞られている傾向にあります。

ただでさえ採用倍率が100倍を超える場合もあると言われている程人気の職種ではありますが、さらに倍率が上がっている可能性もあります。

各航空会社の採用状況について紹介されたページがあったため、航空業界を目指している人は参考としてぜひ一度目を通してみてください。ANAに関しては、公式ページの採用欄に採用状況を掲載していました。

ANAグループ2022年度入社の新卒採用について
JAL、22年度入社の新卒採用見送り CAや業務企画職

グランドスタッフの仕事内容は?

冒頭でも少し紹介しましたが、グランドスタッフの主な仕事内容は、搭乗手続き、空港内でのアナウンスや案内、ゲートでの誘導、機内との連携、旅行客の手荷物対応・管理等があります。

あまり飛行機に乗る機会がない人のためにそれぞれの簡単な業務内容を説明をします。

まず搭乗手続きですが、あらかじめ予約した便の搭乗券を発券します。席の指定をする場合もあります。また機内持ち込み以外の手荷物をここで預かります。

搭乗手続きに関しては自動チェックインシステムに変わっている航空会社も多く、旅行者があらかじめインターネット上で済ませられたり、備え付けの機械で無人の手続をしたりできるため、搭乗手続きに配備されるグランドスタッフは人数が少ない場合があります。

もう一つは空港内のアナウンスや案内業務です。アナウンスは放送設備を使って搭乗便の出発時刻や遅延状況、出発ゲートの情報を不特定多数に伝えます。英語を使う必要も出てきます。

案内業務は空港内で迷っている旅行客に対して、搭乗口等の案内や必要な手続きを教える等して、予定の便に間に合うように導きます。体調の優れない旅行客を医務室に連れていくこともあります。

次にゲートの誘導業務です。ゲートの誘導業務は機内に乗り込む直前の仕事となります。ゲート周辺で待っている旅行客は、搭乗開始のアナウンスが流れると搭乗ゲートの前に並び始めます。

搭乗には各社で決められた順番があり、優先搭乗者、特別な会員、一般搭乗者、それ以外に窓側の席、後ろの席等のあらかじめ定められた順に旅行客の整列を案内していきます。

また搭乗予定の旅行客が間に合っていない場合、各部門と連携しながら出発に遅れが出ないように状況確認や誘導をしていきます。

目的地に到着後、荷物を預けている旅行客は荷物の受け取り場所にあるベルトコンベアから流れてくる自分の荷物を見つけて、持ち帰ります。この時に紛失や破損、荷物の取り違い等が発生することがありますが、グランドスタッフはそういったトラブルへの対応もします。

働くための条件は?

グランドスタッフになるためには短大・専門卒以上の学歴が必要になります。特に文系・理系、学部や学科による制限はありません。

なお一般的に大学卒、短大・専門卒による採用倍率の違いはないと言われています。大学は4年ですが、短大や専門の場合は2年で卒業できるため、むしろ早くグランドスタッフになれる可能性があります。すぐにでもグランドスタッフになりたい場合は、敢えて短大・専門を選ぶという手もあります。

またほとんどのグランドスタッフの求人で必要条件となっているのが語学力で、特に英語のスキルが必要となります。

英語スキルといっても高レベルなものではなく、英検2級、あるいはTOEIC550点以上が目安となります。英検2級は高校卒業レベルと言われており、大学生のTOEIC平均スコアが450〜550程度、と言われているので平均より少し詳しいくらいで満たせるものです。

特に留学経験を必須とされることもありません。また場合によっては応募時に独自の英語試験が実施されることがあります。

英語力は重要なスキルの一つですが、その他、グランドスタッフになるに当たって取得が必須とされる資格はありません。

ハンドリング会社って何?

グランドスタッフになるためには、航空会社で直接雇用されることは少なく、多くの場合ハンドリングと呼ばれる会社に所属します。ハンドリング会社は主に航空会社の関連会社や子会社です。

例えばJALの場合は「JALスカイ」、ANAは「ANAエアポートサービス」というグランドスタッフ業務をメインとした会社が存在します。また複数の外資系航空会社のグランドスタッフ業務に携わるスイスポートジャパンという企業もあります。

仕事の中で大変なことは何?

グランドスタッフの仕事は、不規則な勤務時間、収入の割の多忙さ、クレーム対応等による精神的な疲労という点が大変なポイントとして良く挙げられます。

空港によっては飛行機の発着が24時間になるところもあるので、グランドスタッフは日中の規則的なシフト勤務になることは少なく、公共交通機関が動いていない早朝の出勤、深夜の退勤が発生することも珍しくありません。

会社の用意している交通手段やタクシー等を使って出勤・退勤しますが、対応可能な範囲は限られてくるので、グランドスタッフ等の航空業界で働く人達は必然的に空港近郊に住むことになります。

日中の決まった時間だけに仕事をしたいと思っている人は、グランドスタッフの仕事は難しい可能性があります。

グランドスタッフの任務は、飛行機発着の予定通りの運行を守るために旅行客を導くというものです。そのために時には空港内を走り回って手配することや、関係部門間の仲介、発生したトラブルへの対処を行っていきます。

年末年始や夏休み等の長期休暇中は特に旅行客が増えるので、休む暇が一時もない場合もあります。そういった中でも冷静に正確に、また安全を第一に考えながらの対応が求められます。

グランドスタッフの初任給は18万程と言われていて一般的ではありますが、多忙な割りに給料が高くない面を不満点として挙げている意見も見られました。

グランドスタッフには、英語力の他に広い空港内を動き続けられる体力や、頻繁に発生するコミュニケーションに対応できる能力が必要となります。

以下サイトでは、グランドスタッフとキャビンアテンダントの違いについて細かく紹介されていたので、興味のある人はぜひご覧ください。

キャビンアテンダントとグランドスタッフの違いや適性を比較解説!

グランドスタッフを経験して身に付くスキルは?

グランドスタッフとして働き続けた場合に得られるスキルの一つは語学力です。採用される基準の英語能力のレベルはそこまで高くないものの、実際は様々なシチュエーションで、多岐にわたる会話が必要になるため、高い能力が必要となります。

語学は使っていると習得が早まるので、仕事を始めたばかりの頃は片言しか話せなかったのに、必要に迫られて使っていたらスキルがアップしていたということはあり得ます。

またタイムマネジメント等の管理能力が獲得できます。常に飛行機の運行時刻を厳守した行動が求められるので、経験を積んでいくことで時間を意識した最善の行動が取れるようになります。

同じく分刻みのスケジュールが求められるような業界や、マネジメントをする立場になった際には生かせるスキルとなります。

最後はコミュニケーション能力です。グランドスタッフの仕事はコミュニケーションが取れないと仕事にならないので、どんなに苦手な人でもグランドスタッフを続けていることで仕事上のコミュニケーション能力は身につけられます。

コミュニケーションは人から教えられることがあまりないにもかかわらず、様々な職種で必要となるスキルなので、習得できていると転職先の幅が広がります。

以下サイトではグランドスタッフから転職までの体験談が紹介されていました。体験談は実感が湧きやすいので、ぜひ一度読んでみてください。

6年間グランドスタッフとして働いた体験談

グランドスタッフからの転職はどんな職種がおすすめ?

グランドスタッフで習得したスキルは同業にかかわらず多くの業界で生かせるものばかりです。

おすすめの転職先としては、コミュニケーションスキルが生かせて類似点も多い飲食店や、カスタマーサポート、営業といったものがあります。これらの職種は未経験からでの転職もしやすいというメリットもあります。

さらに管理能力も検討すると、企業の総務や人事、秘書といった職種も適している可能性があります。

外国語ができることからスキルとして翻訳や通訳を目指すことはできますが、募集要項にあるスキルのレベルが高い、経験者のみの募集というところも多いので、未経験の転職先としては難関な部類となります。

未経験でも30代くらいまでは転職できる可能性の高いという点でIT業界もおすすめです。IT業界は未経験でも研修制度が整っているところも多いため、受け入れている範囲は広いです。

もちろん引き続き同業界でキャビンアテンダントを目指す人もいます。しばらくは募集数が少ない状況が続く可能性はありますが、20代前半等の年齢が若い内であればチャンスが皆無ということはありません。

以下の記事ではグランドスタッフになった場合の1日のスケジュールや、グランドスタッフのキャリアパスについて紹介されていたので、リンクを貼っておきます。

「グランドスタッフ」とは

グランドスタッフで身につけたスキルをフル活用して様々な業界で活躍しよう!

グランドスタッフは空港内で重要な役目を持った職種です。旅行客によっては、空港は単なる移動時に利用するバス停や駅のような場所というだけではなく、非日常的な空間にもなります。また各々が様々な事情で利用しています。

グランドスタッフはそんな旅行客の移動の始まりと終わりをスムーズで快適に過ごしてもらえるようにサポートしつつ、飛行機が時間通りに運用できるように各部門と連携しながら調整していきます。

さらに、特に国際便がある空港であれば外国語のスキルが必要となることも多々あります。

とても忙しく大変なことも多い職種ですが、その分得られるスキルや経験がたくさんあります。

これからグランドスタッフを目指す人はぜひ必要なスキルを身につけて、よりグランドスタッフとして働ける可能性を増していってみてください。

転職を検討している人は、ぜひこれまで身につけた豊富なスキルや経験を生かしつつ、自分に合った転職先を探してみてはいかがでしょうか。

最後に求人サイトでのグランドスタッフの検索例をリンクしておきます。現在どういった求人があるか、これからどういったことをしていけば良いのかの指標にもなるので、ぜひ一度見てみてください。

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